持続化補助金の計画書の例:宿泊業(民宿の客室改装と多言語の予約ページ)
空いている平日の部屋を、新しいお客さまで埋める――宿泊業でよくある取組の例です。稼働の数字から効果を積み上げる書き方を見てください。
この例の事業者名・数字・アンケート結果はすべて架空です。【 】の部分には、実際の統計などの数字と出典を書きます。そのまま写さず、ご自身の事業の事実と数字に置きかえてください。
架空の事業者のプロフィール
- 事業者
- 民宿 浜風(架空)
- 形態
- 個人事業主
- 所在地
- 海沿いの観光地
- 常時従業員
- 3名(家族従業員を除く)
- 創業
- 1995年
様式2の記入例
補助事業で行う事業名(30字以内)
客室の和モダン改装と多言語予約ページで訪日客の平日需要獲得29字
①企業概要
当館は1995年開業の民宿で、客室は7室である。売上の構成は宿泊(1泊2食)85%、日帰りの食事15%。客の9割が国内の家族連れ・釣り客で、週末と夏に集中している。
売上高は2023年3,100万円、2024年3,000万円、2025年2,900万円、売上総利益は2025年で1,600万円である。平日の稼働が低いことが課題である。
②顧客ニーズと市場の動向
当地を訪れる外国人観光客は増えている(【県や市の観光統計(外国人宿泊者数)の数字と出典を書く】)。2025年は予約サイト経由で外国人客から問い合わせが年40件あったが、英語での案内ができず、多くを断っていた。
訪日客は平日の滞在も多く、地元の魚料理や和室での宿泊体験を求める声がある。
③強み・弱み
強み:自家の漁船で獲った魚を出す料理。口コミでの料理の評価が高い。港まで徒歩3分の立地。
弱み:客室が古く、写真で魅力を伝えにくい。外国語での予約・案内に対応できていない。
④経営方針・目標と今後のプラン
平日の空室を訪日客で埋め、季節による売上の波を小さくする。
・取組1年目:売上高3,135万円(うち訪日客235万円)、売上総利益1,741万円
・取組2年目:訪日客を年360人泊に増やす。
販路開拓等の取組内容
何を:和の雰囲気を残して改装した客室と、漁師料理つきの宿泊プラン。
誰に:平日に地方の暮らしを体験したい訪日客。
どうやって:客室2室を改装する。英語・中国語に対応した予約ページを作り、多言語のパンフレットを観光案内所に置く。
スケジュール:交付決定後1〜2か月目に客室の改装、3か月目に予約ページとパンフレットの完成、4か月目から受付開始。
補助事業の効果
訪日客の売上=人泊数×1人1泊の単価9,800円。
・1年目:年240人泊×9,800円=235万2千円(2025年の問い合わせ40件・平均2泊3名で約240人泊)
売上総利益率は約60%で、売上総利益は約141万円の増加を見込む。
※ 実際の申請では、各欄に最大4,000字まで書けます。ここでは要点だけを抜き出しています。
経費と補助金額(様式3のイメージ)
| 経費区分 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| ⑧委託・外注費 | 客室2室の内装改装工事 | 400,000円 |
| ③ウェブサイト関連費 | 英語・中国語の予約ページの制作 | 250,000円 |
| ②広報費 | 多言語パンフレットの制作・印刷 | 60,000円 |
| 補助対象経費の合計 | 710,000円 | |
| 補助金の額(補助率2/3・上限50万円) | 473,333円 | |
合計710,000円×2/3=473,333円(円未満切り捨て)。残りの236,667円は自己負担です。補助金は後払いのため、経費はいったん全額を立て替えます。消費税の扱いや経費区分の判断は、公募要領で確認してください。広報費・ウェブサイト関連費は、それぞれ補助金の上限が30万円で、単独では申請できません。
この例のポイント
- 断っていた問い合わせの件数(年40件)から、効果の人泊数を計算している
- 平日の空室という弱みを、訪日客の取組で補う流れになっている
- 宿泊業は従業員20人以下が対象。家族従業員の扱いなど数え方は公募要領で確認する
宿泊業で気をつけたいこと
- 老朽化した設備の修繕だけでは、販路開拓の取組と見なされにくい
- 予約サイトへの手数料など、売上に応じてかかる費用は対象になりにくい
よくある質問
- Q. 旅館・民宿の改装は対象になりますか?
- 新しいお客さまを呼ぶための改装は、委託・外注費などとして対象になることがあります。単なる修繕との違いを、取組の目的と効果で説明してください。
- Q. 宿泊業は従業員何人まで対象ですか?
- 宿泊業・娯楽業は、常時使用する従業員が20人以下の事業者が対象です。