持続化補助金の計画書の例:飲食店(ラーメン店の冷凍セット・ネット販売)
店の味を店の外でも売る――飲食店でよくある取組を、様式2の欄ごとに書いた例です。客数が減っている事情を数字で示し、その解決策として補助事業をつなげる流れを見てください。
この例の事業者名・数字・アンケート結果はすべて架空です。【 】の部分には、実際の統計などの数字と出典を書きます。そのまま写さず、ご自身の事業の事実と数字に置きかえてください。
架空の事業者のプロフィール
- 事業者
- 麺処しらかわ(架空)
- 形態
- 個人事業主
- 所在地
- 地方都市の住宅街
- 常時従業員
- 2名
- 創業
- 2016年
様式2の記入例
補助事業で行う事業名(30字以内)
自家製麺の冷凍セット開発とネット販売で子育て世帯の需要獲得29字
①企業概要
当店は2016年に住宅街で開業したラーメン店である。主力はラーメン(売上の70%)で、餃子・サイドメニューが20%、テイクアウトが10%を占める。麺は自家製で、スープは鶏ガラを毎朝6時間炊いている。
売上高は2023年1,450万円、2024年1,380万円、2025年1,360万円、売上総利益は920万円、840万円、810万円と3期続けて減少した。原材料費と光熱費の上昇で、粗利率は約63%から約60%に下がっている。
②顧客ニーズと市場の動向
主な顧客は店から半径3km以内の30〜50代の住民である。常連客へのアンケート(2025年9月・回答86名)では、52名が「家で店の味を食べたい」、38名が「子どもが小さく夜は来店しにくい」と答えた。
冷凍食品の家庭での利用は広がっている(【冷凍食品の国内消費の推移の数字と出典を書く】)。一方、近隣のラーメン店で自家製麺の冷凍商品を扱う店はない。
③強み・弱み
強み:自家製麺と6時間炊くスープ。Googleの口コミは4.5(210件)で、味の評価が高い。
弱み:調理を店主1人が担っており、店の席数と営業時間以上に売上を伸ばせない。テイクアウトの注文は電話のみで、取りこぼしがある。
④経営方針・目標と今後のプラン
店の味を「店の外」でも売り、席数に左右されない売上をつくる。
・取組1年目:売上高1,590万円(うち冷凍セット230万円)、売上総利益937万円
・取組2年目:売上高1,706万円(うち冷凍セット346万円)、売上総利益1,000万円
冷凍セットは仕込みの空き時間(14〜17時)に製造し、店主の負担を増やさずに作れる量を上限にする。
販路開拓等の取組内容
何を:自家製麺とスープを2食分ずつ真空包装した冷凍セット(2,400円)。
誰に:来店しにくい子育て世帯と、遠方の常連客。
どうやって:真空包装機を導入し、パッケージをデザインする。自社のECサイトで販売し、店頭でも冷凍ケースで売る。
スケジュール:交付決定後1〜2か月目に機器の導入と試作、3か月目にパッケージ・ECサイトの完成、4か月目から販売開始。
補助事業の効果
冷凍セットの売上=月の販売数×単価2,400円×12か月。
・1年目:月80セット×2,400円×12=230万4千円(アンケートで「買う」と答えた52名のうち約半数が月1回購入+EC経由の新規客を見込む)
・2年目:月120セット×2,400円×12=345万6千円
原価率は試作で約45%と確認しており、売上総利益は1年目約127万円、2年目約190万円を見込む。導入した真空包装機は補助事業の終了後も使い続ける。
※ 実際の申請では、各欄に最大4,000字まで書けます。ここでは要点だけを抜き出しています。
経費と補助金額(様式3のイメージ)
| 経費区分 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| ①機械装置等費 | 真空包装機 1台 | 380,000円 |
| ⑥新商品開発費 | 冷凍セットのパッケージ・ラベルのデザイン | 120,000円 |
| ③ウェブサイト関連費 | 冷凍セットを売るECサイトの構築 | 250,000円 |
| 補助対象経費の合計 | 750,000円 | |
| 補助金の額(補助率2/3・上限50万円) | 500,000円 | |
合計750,000円×2/3=500,000円(円未満切り捨て)。残りの250,000円は自己負担です。補助金は後払いのため、経費はいったん全額を立て替えます。消費税の扱いや経費区分の判断は、公募要領で確認してください。広報費・ウェブサイト関連費は、それぞれ補助金の上限が30万円で、単独では申請できません。
この例のポイント
- 売上が減っている理由(原材料費・光熱費)を数字で書き、取組がその解決になっていることを示す
- 「家で食べたい」というアンケートの数字を、効果の販売数の根拠につなげている
- 店主1人で作れる量を上限にして、実現できる計画だと伝えている
飲食店で気をつけたいこと
- 冷蔵庫・冷凍庫などの汎用的な設備は対象外になりやすい。専用の機器かどうかを確認する
- ECサイトの費用(ウェブサイト関連費)だけで申請することはできない
よくある質問
- Q. 飲食店の店舗改装は補助の対象になりますか?
- 販路開拓のための改装は、委託・外注費などとして対象になることがあります。ただし老朽化した設備の入れ替えだけでは対象になりにくいので、新しいお客さまを増やす取組とのつながりを書くことが大切です。対象かどうかは公募要領で確認してください。
- Q. テイクアウトやデリバリーを始める計画でも申請できますか?
- 新しい販路を開く取組として計画に書くことはできます。誰に・何を・どう売るのか、売上がいくら増えるのかを数字で示してください。