持続化補助金の計画書の例:製造業(レーザー刻印機で名入れ小ロット品の受注)
新しい機械で「つくれるもの」を増やし、新しいお客さまに売る――製造業でよくある取組の例です。機械を入れること自体ではなく、誰に何を売るかを中心に書く流れを見てください。
この例の事業者名・数字・アンケート結果はすべて架空です。【 】の部分には、実際の統計などの数字と出典を書きます。そのまま写さず、ご自身の事業の事実と数字に置きかえてください。
架空の事業者のプロフィール
- 事業者
- 有限会社たかの製作所(架空)
- 形態
- 会社(有限会社)
- 所在地
- 工業団地
- 常時従業員
- 8名
- 創業
- 1990年
様式2の記入例
補助事業で行う事業名(30字以内)
レーザー刻印で名入れ記念品の小ロット受注と新規取引先開拓28字
①企業概要
当社は1990年創業の金属加工業である。売上の構成は、取引先2社からの部品の下請加工が80%、そのほかの加工が20%。
売上高は2023年7,200万円、2024年7,000万円、2025年6,800万円、売上総利益は2025年で1,700万円である。主要取引先からの発注が減り、特定の取引先に頼る状態が課題になっている。
②顧客ニーズと市場の動向
地域の企業や学校から「記念品に名前やロゴを入れたい」「10個程度から頼みたい」という問い合わせが、2025年に12件あった。当社では刻印の設備がなく、断っていた。
記念品・ノベルティは小ロット・名入れの需要がある(【記念品・ノベルティの市場の動向の数字と出典を書く】)。近隣で金属製品の名入れを小ロットで受ける工場は少ない。
③強み・弱み
強み:ステンレス・真鍮の精密加工の技術と、短い納期への対応力。熟練の職人が3名いる。
弱み:下請が中心で、自社で客を見つける営業の経験が少ない。刻印・名入れの設備がない。
④経営方針・目標と今後のプラン
下請の比率を下げ、自社で受注する仕事を増やす。
・取組1年目:売上高7,100万円(うち名入れ品300万円)、売上総利益1,835万円
・取組2年目:名入れ品を年60件に増やし、下請以外の売上比率を25%にする。
販路開拓等の取組内容
何を:ステンレス・真鍮の記念品(盾・プレート・キーホルダーなど)に名前やロゴを刻印する小ロット品。
誰に:周年記念品を探す地域の企業、卒業記念品を探す学校。
どうやって:レーザー刻印機を導入する。地域の産業展示会に出展し、自社サイトに事例ページを追加する。
スケジュール:交付決定後1か月目に刻印機の導入と試作、2〜3か月目に事例ページの制作、4か月目に展示会に出展。
補助事業の効果
名入れ品の売上=受注件数×平均単価。
・1年目:年40件×平均7万5千円=300万円(2025年の問い合わせ12件と、展示会での商談を見込む)
粗利率は約45%で、売上総利益は約135万円の増加を見込む。刻印機は補助事業の終了後も使い続ける。
※ 実際の申請では、各欄に最大4,000字まで書けます。ここでは要点だけを抜き出しています。
経費と補助金額(様式3のイメージ)
| 経費区分 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| ①機械装置等費 | レーザー刻印機 1台2社から見積を取り、安い方を選んだ(相見積) | 580,000円 |
| ④展示会等出展費 | 地域の産業展示会の出展料 | 120,000円 |
| ③ウェブサイト関連費 | 自社サイトに名入れ品の事例ページを追加 | 80,000円 |
| 補助対象経費の合計 | 780,000円 | |
| 補助金の額(補助率2/3・上限50万円) | 500,000円 | |
合計の2/3が上限の50万円を超えるため、補助金は50万円になり、残りの280,000円は自己負担です。補助金は後払いのため、経費はいったん全額を立て替えます。消費税の扱いや経費区分の判断は、公募要領で確認してください。広報費・ウェブサイト関連費は、それぞれ補助金の上限が30万円で、単独では申請できません。
この例のポイント
- 「断っていた問い合わせが12件」という実績が、需要の強い根拠になっている
- 下請に頼る弱みを、新しい受注の取組で補う流れになっている
- 高額な機械は相見積を取り、選んだ理由を書いておく
製造業で気をつけたいこと
- 既存の設備の入れ替え・修理だけでは、販路開拓の取組と見なされにくい
- パソコンや汎用のソフトなど、ほかの用途にも使えるものは対象外になりやすい
よくある質問
- Q. 機械の購入だけで申請できますか?
- 持続化補助金は販路開拓等の取組が対象です。機械を入れて「誰に・何を・どう売るか」と、売上がどう増えるかまで書く必要があります。
- Q. 相見積はいくらから必要ですか?
- 一定額以上の経費は、2社以上の見積が求められます。基準の金額や税の扱いは、公募要領で確認してください。